しばらく前の話ですが、楽天Koboが話題だった頃、ハードウェアがないのに電子書籍を買ってしまいました。フォーマットが EPUB や PDF だということで、それならどんなパソコンでも携帯端末でも読めるではないかと勘違いしてしまったんですね。Android 用のリーダーはあるし、iOS 用は提供予定ということで、PC 用は当然あるものと思い込んでいました。普通の本で買おうかなぁ、でもちょっと高いかなと思っていたものが、Kobo 電子書籍で安売りされていたので、きちんと確認せずについついポチッと。
Kobo desktop アプリをインストールして、いざファイルをダウンロードしようとしたら…、ローカルにダウンロードできない。でもPCアプリで内容を表示できるよね…と思ったら、買った電子書籍の中身が表示できない。がっくり。対応するつもりはあるようなのですが、Kobo Touch 本体のトラブルや、対応書籍の拡充に全力を注いでいるらしく、なしのつぶてです。
そのままあきらめていたのですが、kobo 日本語書籍をパソコンのデスクトップで表示可能にしている方がいました。
☞ 「日本語版Koboデスクトップアプリでも電子書籍読ませろ! | OSAKANA TAROのメモ帳」 http://blog.osakana.net/archives/2817
英語版では実装済みで、日本語ローカライズで無効にしているようです。さっそく、
nickel.dllにするパッチ(wdiffによる自己実行ファイル)
をダウンロードして実行したところ、
libusb0.dll がない
云々で kobo が起動しません。
☞ 「kobo Touchがインストールできない場合の対処と感想 – ロックTシャツ通販Lyme-Records(ライムレコード)@hatena」 http://d.hatena.ne.jp/lyme-records/20120720/p1
を参考に、libusb0.dll をダウンロードして、上記 nickel.dll と同じ kobo のディレクトリに突っ込みました。こんどは kobo が起動して、ライブラリで選択中の書籍のタブが現れ、文章が表示されました。
縦書きで表示されますが、フォントは横書きのままです。
。 、 「 」 ( ) ー …
などが横書きフォントでおかしくなっています。昔のワープロや で縦書き代替フォントの指定があったのを思い出します。
デフォルトのフォントは英文フォントなので、kobo の設定で等幅の日本語フォント DFKai-SB にしました。MS UI Gothic にすると横書きカーニングのままで位置ズレが激しく醜くなります。縦書きを横書きにする設定は(少なくとも表には)ないようです。
縦書き表示で横書きフォントなので表示は少々変でとまどいますが、とりあえず内容確認くらいの用途には使えそうです。ルビの表示はうまくいっています。画面キャプチャは青空文庫ですが、買った本も表示できました。当面、これで読めますね。
アメリカSFやIT技術の電子書籍ではどんなプラットフォームでも読めるような形で本が販売されていることもあります。一回の購入で、プレーン テキスト、HTML、EPUB、PDF、その他各種端末形式がダウンロードできるようになっているSFを買ったことがあります。日本語対応のEPUB規格もできたことですし、日本の電子書籍もどんなプラットフォームでも読めるようになってほしいものです。ハードウェアやOS、販売元の都合で読めなくなってしまう本を買おうという気にはなれません。
なお、nickel.dll の改造(差分実行ファイル)や libusb0.dll のダウンロード・インストールは自己責任でお願いします(グレーです)。
(2012/9/3)
(追記)
フォントが DFKai-SB の場合、
。 、 「 」 『 』 ( ) ー …
のほかにも
- !? が右に寄る
- 々 がとても小さい
- ゼロの○が左に寄る
- っ (促音)
- II が右に寄る
の位置や大きさが少々変になります。しょうがないですね。もっとも、読んでいるうちに慣れてきます。
ナビゲーション関係では、
- → 進む。←戻る。(横書き用の向きなので直感に反する)
- ページ表示が変化しない(常に 1/1)
- ハイパーリンクが動作しない(?) (目次がハイパーリンク風だが、跳ばない)
という現象も見受けられましたが、書籍側の問題かもしれません。
いずれにせよ、日本語表示に耐えられないとして無効にされているのを無理矢理表示させているのですから、当然のことです。
(2012/9/13)
(追記2)
上述の nickel.dll をいじる方法は、Koboデスクトップアプリ v3.0.4 (2012/10/04)で使えなくなったそうです。
試しに、読める状態だった旧バージョンを起動してみたら、更新が強制で、更新しないとアプリの終了(ウィンドウを閉じる)すらできない状態でした。
(2012/11/04)
(追記3)
OSAKANA TARO さんによると、Ver. 3.1.0 では設定ファイル affiliate.conf の affiliate=RakutenBooks を affiliate=kobodesktop に書き換えればよいとのことで、やってみたら日本語の本が読めました。フォントは DFKai-SB を再指定しました。
旧バージョンを起動したら、(強制)更新のモードになり、更新をダウンロード・インストールしたところ、nickel.dll は新しいものに上書きされたようです。
(2012/11/8)
(追記4)
PC用のアプリも登場していました。これでまともに読めます。
ところが、書籍自体に5年の期限があるようで……。
もっとも、
には再ダウンロード期限について書かれていないようなので、個別の出版社側(小学館?)の問題のようですが、それにしても困ったもんです。
(2014/5/1)
再ダウンロード期限一覧:
- 電子書籍の情報をまとめてみる (「主なストアの出版社別配信状況とDL制限(2014.2.24更新)」)
(2014/5/2)