ねじ用十字穴

ネジの頭がプラスなら同じ規格、大きさは3番、2番、1番、…とあるにしても。そう思いこんでいました。ところが。

IKEA の家具のネジは日本で一般的な十字のフィリップスではないというお話し。ネジの頭がプラスに見えても、ヨーロッパ物だとポジドライブとかスパドライブとかあるんですね。知りませんでした。ふつうのプラスよりナメにくい構造だそうですが、日本でそういう用途には六角穴付きボルトを使いそうな気がします。

見分け方は

「十」字穴が「米」字に見えるようなヒゲが4つ付けてあるのがポジドライブ、2つならスパドライブだそうです。

日本工業標準調査会:データベース検索-JIS検索 でJIS を調べてみました。ドライバーは「十字ねじ回し」というようです。

JIS B 0101 「ねじ用語」の2115番の用語「十字穴」(cross recess) の定義と対応英語に、

ねじ回しの先端を差し込んでねじ部品を回転するために設けた十字型のくぼみ。
備考 十字型の形状について、JIS B 1012 では、次の3種類を規定している。
(1) H 形(ISO 規格のフィリップス形)「付図 2115(1)」 Phillips type
(2) Z 形(ISO 規格のポジドライブ形)「付図 2115(2)」 Pozidrive type
(3) S 形(ISO 規格は規定していない)「付図 2115(3)」 special (cross recess) type

とありました。JIS や ISO にもポジドライブが規定されているんですね。JIS B 1012「ねじ用十字穴」(Cross Recesses for Screws) にも図があり、寸法も規定されています。ISO 4757 準拠。文面からして、S形はカメラ用の小ねじのようです。図を見ると、そういえば、小さなネジで S 形らしきものが身近にあります。プラスドライバーが入らなくて、無理やりちっちゃなマイナスドライバーで回してしまうやつですね……。ちなみに、マイナスは「すりわり付きねじ」で別のJISです。

IKEA に行ったら、家具は買わなくてもドライバーだけは買ってこよう 🙂

(2013/4/19)

 

4月1日の千鳥ヶ淵と靖国神社の桜、WATERRAS

九段坂病院 インド大使館 千鳥ヶ淵 2013-04-01 005
左側が千鳥ヶ淵、真ん中の白いビルが九段坂病院、左の壁はインド大使館。九段坂病院心療内科の山岡昌之先生は定年退職で、池袋心療内科オーククリニックの日本摂食障害治療研究所に移られました。

靖国神社 2013-04-01 016 靖国神社 桜の標準木 2013-04-01 023 桜の標準木 2013-04-01 027 桜の標準木 2013-04-01 033 靖国神社、桜の標準木 2013-04-01 039 靖国神社 外苑 2013-04-01 049
靖国神社。東京の桜の標準木があります。今年の開花は3月16日、満開は3月22日でした。すっかり散っているだろうと思ったのですが、ずいぶん残っていました。開花までは暑いくらいでしたが、その後寒い日が続いていますね。

千鳥ヶ淵 2013-04-01 057 千鳥ヶ淵 2013-04-01 058 千鳥ヶ淵 2013-04-01 061 千鳥ヶ淵 2013-04-01 069 千鳥ヶ淵にて 2013-04-01 070 千鳥ヶ淵 2013-04-01 090 千鳥ヶ淵 ボート乗り場の上 2013-04-01 095
千鳥ヶ淵の桜もまだまだ綺麗でした。一方通行の大渋滞でないぶん、桜を楽しめていいかもしれません。ボートをこいでいる人もたくさんいました。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑 2013-04-01 097 千鳥ヶ淵戦没者墓苑 2013-04-01 098
千鳥ヶ淵戦没者墓苑。何度見ても殺風景といいますか、靖国神社のような形式美があるほうが自然に感じられます。

昭和館より田安門を望む 2013-04-01 104 昭和館より武道館を望む 2013-04-01 107
昭和館から北の丸公園の方を望む。昭和館特別企画展「中原淳一の生きた戦中・戦後」(入場無料)を見ようとしたら、月曜休館日でした。

WATERRAS TOWER 2013-04-01 120 WATERRAS 2013-04-01 118 WATERRAS ANNEX 2013-04-01 119 WATERRAS 地図 2013-04-01 108 WATERRAS 2013-04-01 122 WATERRAS 2013-04-01 124 御茶ノ水駅から秋葉原駅へ向かう下り坂の近くを再開発していたビルが出来上がっていました。この場所は神田淡路町になるようですが、WATERRAS という名前で、テナントのお店はすでに開店しています。

(2013/4/2)

ビジョルド「任務外作戦」(ヴォルコシガン・サーガ)

「任務外作戦」(“A Civil Campaign“(1999), “Winterfair Gifts“(2004))、L. M. ビジョルドのヴォルコシガン・サーガ、13作目、最新邦訳です。昨年の前作「ミラー衛星衝突」(“Komarr“(1998))の翻訳は長い年月待ちましたから、1年などあっという間です。途中、五神教シリーズ(ビジョルド「影の王国」)も邦訳が出たので、余計短く感じられました。次作の Diplomatic Immunity も翻訳・出版してくれると嬉しいですね。

翻訳が待ちきれずに原書に目を通したのが2007年、あらすじだけメモしてありました。

そのあと5年ほどして CryoburnCaptain Vorpatril’s Alliance が出版されていますが、まだ読んでいません。読もうとしたのですが、この登場人物はどんな人だったかな…?ということになって原書を読み返そうとしていました。今回の「任務外作戦」もそうですが、翻訳版では細かい活字で分厚い上下巻、英語で読もうとすると時間がかかるし、私の英語力ではきちんと意味がわからないし、なかなか大変です。電子書籍が登場してからはコピペで辞書も引きやすく、多少楽になりましたけれど。

Komarr“, “A Civil Campaign“, “Winterfair Gifts” の3作はマイルズ・ヴォルコシガンの生涯では密接につながった話で、英語版ではまとめて “Miles in Love” としてオムニバスにもなっています。

以下、もしかしたらネタバレしているかもしれないのでご注意。

聴聞卿になったマイルズが同僚の聴聞卿ヴォルシス教授とともにコマールの小太陽群衛星ソレッタ・アレイ(つまりミラー衛星)破壊事件の調査にやってきて、ヴォルシスの姪エカテリンのもとに滞在するのが「ミラー衛星衝突」(“Komarr“)です。エカテリンはバラヤーのヴォル制度のもと抑圧されたヴォルの妻・母として描かれています。ヴォルは日本の武家、戦前の家制度、家父長制を思わせます。終盤ではそのおしとやかなエカテリンが意外にも大活躍――大暴れします。ちなみに、その時に、とある重要装置が乗ったフロート揺籃なるものが登場しますが、原作ではfloat cradleなのでフロート・クレードル、意味的には浮き架台といったところでしょう。

このコマールの事件の本質は例によって機密となります。「任務外作戦」(“A Civil Campaign“)では、寡婦となったエカテリンは息子のニッキとともにバラヤーに帰星、ヴォルシス教授夫妻の家から大学に通い始めます。マイルズはお近づきになろうとヴォルコシガン館脇の庭園設計をエカテリンに依頼しますが、喪服の彼女の周囲には求婚者が続々。マイルズのクローン兄弟マークは遺伝子昆虫学者を館に連れてきて、恋人のカリーン・コウデルカたちとバター虫ベンチャー事業を始めますが、次から次へと騒動が持ち上がります。バラヤーでは皇帝グレゴールとコマール女性の結婚準備が進みますが、一方で国主の相続問題が2国で発生、それに絡んだ惑星外由来の遺伝・生命・医療技術もあいまって、ヴォルの派閥で政争が繰り広げられます。軍事国家バラヤーの社会を、軍事面ではなく civil、民事面から描いた作品です。ヴォル達の婚活・相続協奏曲……とでもいいましょうか。

「冬の市の贈り物」(“Winterfair Gifts“)は後日譚で、マイルズの結婚式に訪れたデンダリィ傭兵艦隊のスーパー兵士タウラ軍曹と、警備隊(警察)出身で最年少の親衛兵士ロイックの視点から語られます。

次の “Diplomatic Immunity” は直訳すると「外交特権」です。時間軸ではマイルズのハネムーン旅行ですが、クァディやセタガンダが登場します。この調子で来年くらいに日本語版が出てくれないものでしょうか 🙂

出版社によるシリーズ紹介は

と物語世界の中での時間順になっていますが、読み始めるなら刊行順のほうが良いでしょう。初めてシリーズを読む方には、マイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンの最初の冒険「戦士志願」か、両親のコーデリア・ネイスミスとアラール・ヴォルコシガンとのなれそめ「名誉のかけら」を、「戦士志願」の次にはSF中編集の逸品「無限の境界」をおすすめしておきます。( 「ものがたり:L.M.Bujold, Miles Vorkosigan/Naismith Monogatari, Makisima Bunko」 )


  • 任務外作戦〈上〉 – ロイス・マクマスター・ビジョルド/小木曽絢子 訳|東京創元社 (出版社)
    • ロイス・マクマスター・ビジョルド 作・小木曽絢子 訳、「任務外作戦〈上〉」、2013/3/22、東京創元社(創元SF文庫)、ISBN:978-4-488-69816-4、1100円、装画:浅田隆、装幀:矢島高光
    • Written by Lois McMaster Bujold, translated by Ayako Ogiso, the first volume of “Ninmu-gai Sakusen“, March 2013, published by Tokyo Sogensha Co., Ltd., ISBN:978-4-488-69816-4, cover illustrated by Takashi Asada, cover designed by Takamitsu Yajima, (original: “A CIVIL CAMPAIGN – A Comedy of Biology and Manners“, 1999)
  • 任務外作戦〈下〉 – ロイス・マクマスター・ビジョルド/小木曽絢子 訳|東京創元社 (出版社)
    • ロイス・マクマスター・ビジョルド 作・小木曽絢子 訳、「任務外作戦〈下〉」、2013/3/22、東京創元社(創元SF文庫)、ISBN:978-4-488-69817-1、1100円、装画:浅田隆、装幀:矢島高光
    • Written by Lois McMaster Bujold, translated by Ayako Ogiso, the second volume of “Ninmu-gai Sakusen“, March 2013, published by Tokyo Sogensha Co., Ltd., ISBN:978-4-488-69817-1, cover illustrated by Takashi Asada, cover designed by Takamitsu Yajima, (original: “A CIVIL CAMPAIGN – A Comedy of Biology and Manners“, 1999, and “Winterfair Gifts“, 2004)

L. M. ビジョルド、「任務外作戦(上・下)」 表紙

  • ミラー衛星衝突〈上〉 – ロイス・マクマスター・ビジョルド/小木曽絢子 訳|東京創元社
    • ロイス・マクマスター・ビジョルド 作・小木曽絢子 訳、「ミラー衛星衝突〈上〉」、2012/3/23、東京創元社(創元SF文庫)、ISBN:978-4-488-69814-0、980円、装画:浅田隆、装幀:矢島高光
    • Written by Lois McMaster Bujold, translated by Ayako Ogiso, the first volume of “Miraa Eisei Shototsu“, March 2012, published by Tokyo Sogensha Co., Ltd., ISBN:978-4-488-69814-0, cover illustrated by Takashi Asada, cover designed by Takamitsu Yajima, (original: “Komarr“, 1998)
  • ミラー衛星衝突〈下〉 – ロイス・マクマスター・ビジョルド/小木曽絢子 訳|東京創元社
    • ロイス・マクマスター・ビジョルド 作・小木曽絢子 訳、「ミラー衛星衝突〈下〉」、2012/3/23、東京創元社(創元SF文庫)、ISBN:978-4-488-69815-7、980円、装画:浅田隆、装幀:矢島高光
    • Written by Lois McMaster Bujold, translated by Ayako Ogiso, the second volume of “Miraa Eisei Shototsu“, March 2012, published by Tokyo Sogensha Co., Ltd., ISBN:978-4-488-69815-7, cover illustrated by Takashi Asada, cover designed by Takamitsu Yajima, (original: “Komarr“, 1998)

L. M. ビジョルド、「ミラー衛星衝突」、表紙

(2013/3/24)

岡崎図書館事件から3年(ブックマーク)

librahack 事件で攻撃と誤認されたクローリング プログラムが稼働し始めてから3年経つんですね。

ご本人のまとめサイトは、

私の雑記は、

誤認逮捕事件といえば、PC遠隔操作事件は現在進行形です。

(2013/3/18)

(追記) 書式修正 (2013/7/13)

パンスターズ彗星(2013/3/15)

昨日(パンスターズ彗星を見た(2013/3/14))はカメラがなくて残念な思いをしたので、同じ場所で撮影を試みました。今日は低い空がかすんでいて双眼鏡では見えませんでしたが、カメラには写っていました。パンスターズ彗星の撮影に成功です。

PANSTARRS 2013/3/15 IMG_2057
パンスターズ彗星(中程、やや左の木の上の方。拡大すると見えます) 2013/03/15 18:39, Canon EOS Kiss Digital N, EF-S 60mm 1:2.8 USM, f/2.8, 2 s, ISO-800

パンスターズ彗星は微かに写っているだけなので、拡大しないとわかりません。こういうのを撮影成功というのかどうかわかりませんが、ともかく写ったのでよしとしましょう (^^;

パンスターズ彗星(2013/3/15) IMG_2091
パンスターズ彗星(中程、やや下。拡大すると見えます) 2013/03/15 18:47, Canon EOS Kiss Digital N, EF-S 60mm 1:2.8 USM, f/2.8, 3.2 s, ISO-800

 

もう少し暗くなってから、他の恒星も写り始めています。彗星は、やはり拡大しないと見えません。

20130315-1847_C2011L4_StellaNavigator
2013/03/15 18:47 のステラナビゲータ Ver.9.1 表示(昼光オフ)

 

ステラナビゲータ Ver.9.1でこの時刻を確認すると、恒星との相対位置も合っています。写っていたかすかな光はパンスターズ彗星に間違いありません。

月 月齢3.7 IMG_1971
月(月齢3.7) 2013/03/15 18:22, Canon EOS Kiss Digital N, EF-S 60mm 1:2.8 USM, f/2.8, 1/3 s, ISO-800

 

同じレンズで写した月と比べると、大きさの見当がつきやすいかもしれません。

月(月齢3.7) IMG_1946
月(月齢3.7) 2013/03/15 18:05, Canon EOS Kiss Digital N, 3 BEACH DIGITAL 60E 600mm F12, f/12, 1/100 s, ISO-800

 

600 mmのレンズで月を拡大。彗星が目で見えていれば、このレンズで写そうと思っていました。

彗星を諦めたあと、天頂付近の星座を撮ってみました。

ヒアデス星団、木星、プレアデス星団 IMG_2113
ヒアデス星団、木星、プレアデス星団 2013/03/15 18:53, Canon EOS Kiss Digital N, EF-S 60mm 1:2.8 USM, f/2.8, 3.2 s, ISO-800

 

日没後、木星が一番星でした。おうし座のプレアデス星(すばる)とヒアデス星団の間です。

オリオン座 IMG_2121
オリオン座 2013/03/15 18:56, Canon EOS Kiss Digital N, EF-S 60mm 1:2.8 USM, f/2.8, 8 s, ISO-800

 

そのとなりに、オリオン座。薄雲がかかってきたので、本日はこれにて終了です。

(2013/3/15)