このごろツイッターで流れてくる韓国がらみのまとめやブログが 嫌* ばかりで、 親* や 知* がありません。タイムラインの構成に失敗しているのかと好意的なアカウントを探し始めたのですが、見つからず。そもそもツイッターに限らず、ネットでググってもののしるようなまとめやブログばかり現れて、理知的・論理的に擁護する論議にたどり着きません。そんなバカな。
「マンガ嫌韓流」(山野車輪、2005)や同類書がベストセラーだったころにも、内実を知る人達が冷静で好意的な本を出版していました。「いい加減にしろ韓国―日本を嫉妬し、蔑む真の理由」(豊田有恒、1994)のころも同様。好きだからこそ筋を通して物申すという雰囲気がありました。書籍とネットを比べるのは適切でないにしても、最近見かけるページは動物的な罵倒語だらけです。魅力を語りたい人も沈黙を守っているのでしょうか。
韓国に興味を持った人の心情がどのように変遷していくかということでは、たとえば
ほかにももっと詳細な一覧があったりしますが。親しみを持ち、知れば知るほど疑いはじめ、嫌うこととなり、反発や怒りを通り越して呆然とし、笑ったり哀れんだり憂いたりするうちに、ついには達観に至ると。そうですか、達観しちゃうんですね…。まるで仏教の諦観のごとし。
検索キーワードをいろいろ試したのですが、すてきな国だよと言っているのは、観光、芸能、お買い物に誘う側のサイトのようです。あるいは仕事や家族の関係で冷静に見つめる人たちが実情をチラホラと書いています(が、なかなか見つかりません)。韓国が好きだからこそ苦言を呈するような人たちは、日本語になっていると実質的に韓国から排除されちゃいますもんね(たとえば、スカートで有名な日本に帰化した某教授は文字通り、入国できませんでした)。英語や韓国語で探せば、まともなサイトもあるのかもしれません。さらに探していたら、
というサイトがありました。どこまで事実で、どこから推測なのかさっぱりわかりませんが、おもしろい見解ではあります。同「歴史上稀に見るキチガイ全体主義国家“大韓民国”と付き合ってると馬鹿になります。国益の損失は計り知れません・・・」によると、今や大韓民国は「グローバリズム国家」へと生まれ変わりました。… 政治家&官僚は統制力を無くし、アメリカ万歳(=ブッシュ財閥万歳)を叫ぶ財閥のオッサンどもが好き勝手やれる無法国家へと変質!!
だそうで、返す刀で日本もバッサリです。同「哀れなグローバリズム残党どもの開き直り①「英語のLとRの区別ができなくてもグローバル人材になれるのだ!」」によると、プロ野球ではコミッショナーの加藤良三クンが人格丸出しですよね? 本ブログで紹介した「選ばれた人間」を自称する“アジア局長”とは、コイツです。
(☞ その1,その2、その3)なんだそうですが、どのくらい脚色してあるんでしょう。外務省の局長や駐米大使って、こんな人(達)だったんですか??
いずれにせよ、韓国や日本の世論が誘導されているとみなしたほうが自然かもしれません。数千年の昔から、国内に不満や不安があるときには外国に民衆の目を向けさせ、侵略戦争を起こすのが世界史の常識です。いまでもアメリカは国内に問題が起こると露骨に戦争を起こしていますね。武力による戦争はないにしても、目をそらせるべき事態がなにか起こっているのか。
韓国が IMF 管理下に入ったのが 1997 年でした(韓国のIMF救済 – Wikipedia)。その後、サムスンに代表されるように、国の経済は持ちなおしたように見えます。しかし、実際には残った数少ない財閥だけが輸出で稼ぎ、その稼ぎも株主の外国に流れてしまっているようです。さらに米韓FTA(米韓自由貿易協定 – Wikipedia)が発効して1年半、どちらの国に有利な協定かは諸説あるようです(☞「米韓FTA発効から1年―成果はまちまち – WSJ.com」)が、国対国というより、グローバル企業(多国籍企業、資本家)が儲けるための取り決めに思えます。そういう意味では資本を握っている米国のためのものです。韓国経済は工業に特化した植民地と化しつつあるともとらえられます(☞「米韓FTAで、韓国は“アメリカの植民地”になった (週プレNEWS) – Yahoo!ニュース」)。働いても働いても搾り取られる国民には不満がたまります。そのガス抜きのための矛先が日本なのでしょう。侵略を言い立てれば、いくらでもお金と技術をくれるし、謝ってくれる。第二次大戦後の反日教育を受けた世代(の大統領や政治家、裁判官)は、困ったことに、心の底からプロパガンダを信じてしまっているように見受けられます(または、そのようにパフォーマンスをしている)。現在の日本は輸出というより海外への投資(現地生産含む)で所得を得ているそうですから、「日本、22年連続で世界最大の債権国に – Japan Real Time – WSJ」ということで、日本は直接・間接に韓国からお金をむしりとっていると韓国人に恨まれているんでしょうね(☞「世界一の債権国、日本に味方はいない」)。日本人は、韓国への戦後賠償として資本をばらまいて助けてきたつもりなんですけど。日本側が条約を守るように期待しても、韓国ではクーデターが繰り返され、選挙でも政権が変わるごとに前政権が糾弾され続けていますから、時の権力者が外国となにを約束しようと(少なくとも対日本では)、そんなもの知らん!ということなのでしょう。ついでに、都合の悪いことを民衆が直視してくれなければ、権力者には都合がいいですね。(もともと、不満をそらすための反日教育なわけで…)
一方、日本では今年7月に TPP(環太平洋戦略的経済連携協定 – Wikipedia) 交渉に参加しましたが、厳しい状況のようです。2011年の震災や原子力発電所事故から2年以上たちましたが、オリンピック開催国決定の直前に汚染水漏れが発覚するなど、問題山積です。 TPP を知りたければ米韓FTAを調べればよいと言われるほどで(☞「米国丸儲けの米韓FTAから なぜ日本は学ばないのか 「TPP亡国論」著者が最後の警告!|エディターズ・チョイス|ダイヤモンド・オンライン」)、TPPの実情を覆い隠すには、グローバリズムやFTAによる韓国の惨状から目をそらして日韓関係の感情的な軋轢に目を向けさせればよいわけです。「TPPは技術売り込むチャンス? 好調なカムリ、日本酒…米韓FTAにヒント (1/5ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)」という記事が出てきているように、TPP は国同士の有利不利より、(自国に税収をもたらす)多国籍企業に利益があるかどうかの交渉です。交渉担当は外務省のはずですが、そこが、上で触れたように「我々は選ばれた人間なんだ! 一般国民が死のうが生きようが関係ないんだよ by外務省高官~その2~」なところだったりすると……、そうでないことを切に祈るばかりです。
このところ、日本と中国がぎくしゃくしていますが、韓国は中国寄りになってきています。「台湾、債権国ランキングで世界5位 日本は22年連続トップ | 最新記事 | 中央社フォーカス台湾」によれば、2012年末で対外純資産の世界ランキングは日本、中国大陸、ドイツ、スイス、台湾の順だそうです。GDPは中国が世界2位、日本が世界3位とよくいわれますが、中国は債権国としても第2位なんですね。中国はお金のために日本の機嫌をとる必要がなくなりました。韓国は中国の機嫌をとる必要があります。
ともかく、マスコミと、インターネットへの匿名的な書込みとによって、韓国(や中国)への憎悪が巧妙に誘導されているのではないかと危惧するところであります。それぞれの政府にとっても、グローバル企業にとっても、そのほうが都合よいのです。私は経済も政治も苦手なので、ただの妄想かもしれません。よく知らないからこそ、こんないい加減な文章を書けるんですよね。こんな推測は私の被害妄想であってほしいものです。
追記: 本日早朝(JST)、2020年のオリンピック・パラリンピックは東京開催に決定しました。結果的に、これも目眩ましになりますね。しかし、めでたい方向に気分が向いていくので良いことです。トルコのイスタンブールは次に期待です。
(2013/9/7)
(追記)
陰謀論的なことを妄想しなくても、韓国の動向に対する単なる反応なのかもしれません。
韓国と中国の経済的な結びつきについては、
(2013/9/14)