Mac の .pct 画像が Windows で扱えない

先日、とある静止画像をいただいたのですが…

Mac の PICT ( .pct ) 形式で、中身は JPEG 圧縮された画像が4つの画像に分割されて入っているというものでした。 Apple の QuickTime  Picture Viewer (QuickTime 7.7) で画面表示はできて、[編集]→[コピー] で表示したもののコピーをとり、 他の画像編集ソフトに貼り付けて JPEG 画像に保存しました。この方法ではディスプレイ解像度に依存するので好ましくないのですが、現状(2011/9/4)、Windows のフリーソフトで、内部構造が複雑な .pct を .jpg に変換するにはこの方法しか見つかっていません。(最近は QuickTime を単独で入れるより、iTunes のついでに入れている人が多いと思います。 ☞  アップル – QuickTime – ダウンロード )

QuickTime Picture Viewer のメニューを見ると [ファイル]→[PRO エクスポート…] が淡色表示されているので、有料の QuickTime Pro ならば.pct を他の形式に変換して保存できるものと思われます。一度使うためだけに 3,400 円を支払う気になれるかどうか。 ☞ QuickTime 7 Pro for Windows – Apple Store (Japan)

Windows ユーザは、PICT ではなく JPEG で画像をもらいなおすというのが最良の方法ですね。

はじめは、ペイント系のお絵かきソフト、画像変換ソフトなど、どれを使っても .pct を読み込んで .jpg に変換して保存できると思っていたのです。

ところが、Adobe Photoshop CS (CS1、バージョン 8.0.1 )では

「要求された操作を完了できません。PICT が複雑すぎるため、このコンピュータで開くことができません。Photoshop Windows 版では、ラスター PICT ファイルのみサポートされます。」

とエラー表示。

ふだん一番気軽に利用している MassiGra Version 0.41 に Susie32 plug-in library 0.08 の ifpict.spi ( pict, pct ) を入れた状態では、

「ファイル読み込みエラーです」

ということは、Susie でも読み込めないはずです。

IrfanView Version 4.30 にプラグイン一式を入れ、PICT 用のプラグインとして QUICKTIME.DLL Version 4.28 が入っていて MacPICT が読めることになっている状態では、プレビューに本来の画像の上1/4が表示され、開こうとすると

Warning !
The file:
“… :\…\…\…pct” is a JPG file with incorrect extension !
Rename ?

で「はい」か「いいえ」を聞かれます。どちらにせよ、開くと画像の上のほう 1/4 くらいしか表示されません。

XnView for Windows バージョン 1.98.2 では警告やエラーは表示されませんが、やはり画像の上のほう 1/4 くらいしか画が表示されません。広さ3倍以上の余白も同時に表示されるので、全体の大きさは認識しているものと思われます。表示される部分の右にも余白があるので、1/4 の画像部分の縦横比は認識できていないことが推測されます。(見本として画像をここに貼り付けたいところですが、権利関係にいろいろ問題が出るので省略)

ViX 2.21 Version 2.21.148.0 (1998-2002) では画像として認識せず、ViX の中からファイルをダブルクリックすると QuickTime Image Viewer が起動します。

疾風 -Tokikaze- version 1.60 (2001-2002) では、「ファイルの種類」→「Macintosh PICT」 を指定して開こうとすると、

「このファイルは読み込めません」

ImageMagick-6.7.2-1-Q16-windows-dll の convert で .pct から .jpg への変換を実行すると、やはり画像が認識されるのは上のほう 1/4 くらいだけで、それが .jpg になります。

Picasa 3.8 、認識しません。

GIMP は PICT に対応と書いていないようなので、試していません。

GV for Win32 Version 0.86 (1992-2004) では全体の画像が開けます。しかし、縦横比が狂っています。GV でアスペクト比を指定することはできるのですが、もともとの画像の縦横比が不明です。PNG 画像として保存できるので、アスペクト比が明確なら GV は使えそうです。

画像の上の方 1/4 くらいが表示されるソフトが多いのですが、Vector に、これに関する「PICTJPG」というソフトがありました。

PICTJPGの詳細情報 : Vector ソフトを探す!

「 Mac のJPEG圧縮されたPICTを見るためのものです。WindowsではQuickTime for Windowsというのがありますが、これだと、JPEG圧縮されたPICTの場合、一ブロック目しか見る事ができないようです。
そこで、このツールで、純粋のJPEG部分をブロック毎に切り出し、通常のJPEGフォーマットとしてファイル出力することにより、JPEGのローダで見る事ができるようになります。(以下略)」

という MS-DOS (!)ソフト、1995年です。ブロックが多い場合は自分で再帰的に分割しなおします。同梱の取扱説明書には GV で連結できると書いてあって、拡張子を .jpg にして順次読み込むと1枚の画像にできます。しかし、直接読み込んだときと同じく縦横比は狂っています。やはり、全体の画像としての縦横比がわかっていないと困ります。

そもそも、PICT というのはどういう形式のファイルなのだろうかと疑問になりますが、マッキントッシュの描画用コンテナ フォーマット、メタファイルのようです。ウィンドウズで言えば、ビットマップ ファイル .bmp とウィンドウズ メタファイル .wmf を合わせたようなものでしょうか。描画命令が書き込んであるファイルを他の OS で解釈するのは難しいことです。

jpgとpctの違い – グラフィックソフト – 教えて!goo によると

pctはMacintoshで使われるPICT形式のDOS(Windows)上での拡張子です。
JPEGなどのように互換性はないかわりに、QuickDrawというMacintoshの描画命令を実装しており、Macintoshのアプリケーションで作られたPICTファイルを、Macintosh上でならかなり正確に再現することができます。
ただしQuickDrawはWindowsやその他のOSには移植されていないので、Macintosh以外の環境でPICTファイルを開くことはほとんどできません。

とのこと (2001/10/18)。 10年前の Q&A ですが、現在でも状況はあまり変わっていないようです。

(2011/9/4)

英語記事(やヘルプ)はほとんど見ていないので、もしかしたら方法があるのかもしれません。あるようなら教えてください。

(2011/9/13)

投稿者:

librarian

http://makisima.org/ の librarian です。マキシマ文庫=書斎 の主。

「Mac の .pct 画像が Windows で扱えない」への4件のフィードバック

  1. 僕もひかかった(笑) でも 新しいバージョンの
    ACDSEEと フォトショップと 自在眼で
    見る事が出来ました......

  2. ACDSee 12 の試用版(7日間または30日間)をダウンロードして、問題のPICT(.pct)画像を開こうとしましたが、画像として認識しないようです。
    自在眼は試用版・体験版がないようで、未確認です。
    Photoshop の最新版は… 欲しいんですが、高価でなかなか手が出ません。
    (2012.1.23)

  3. とても役に立ちました。ありがとうございます。

    MACのレコーディングソフトProtoolsのマニュアル作りで
    操作画面のイラストがXP上で必要でしたが
    まさかクイックタイムとは・・・・。

    print screen でコピーし、HPビルダーの付属ソフト
    ウエブアートデザインーで加工しました。大助かりです。

    1. お役に立てて幸いです。
      操作画面のマニュアルなら適当に画像サイズを変えてしまいますから、オリジナルのサイズにこだわることもありませんし、Quick Time を呼び出せばちょうど良さそうです。

      [Print Screen] でデスクトップ全体のコピー
      [Alt] + [Print Screen] で Quick Time PictureViewer ウィンドウのコピー
      Quick Time PictureViewer の [メニュー] → [編集] → [コピー] でウィンドウ内の画像だけコピー

      となるので、用途によって使い分けるといいかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です