H-Milch とラムスデン現象――ケフィア

ケーフィア(コーカサス地方の発酵乳) 説明書の写し で、

調合

牛乳 1/4㍑に クルミ大のケーフィア

牛乳はHミルク(ドイツのHミルヒ) 日本ではロングライフミルク(長期、常温保存が可能なミルク)又は、牛乳を加熱し、さめたときにできる皮膜(牛乳を腐らせる原因)を除いたもの

と書いてあったのですが、Hミルク?、皮膜を除く?

当面、自分なりの結論は、

  • Hミルクは日本の一番一般的な牛乳でよい。(120~130℃位の高温殺菌牛乳)
  • わざわざ熱して皮膜を作り、それを除く必要はない。

不都合が生じなければ、これでよいのではないかと思います。

それぞれの意味を調べようと検索して、ツイートしました。以下、そのまとめです。

H-Milch

ドイツの H-Milch って、Haltbarmilch の略らしく、日本語に直訳すると長持ち牛乳(ロングライフ牛乳)になるけど、実際には日本でいうロングライフ牛乳というより、一番普通に売っている牛乳のことのようですね? (status)

ケフィアをもらったときの手引きに

牛乳はHミルク(ドイツのHミルヒ)日本ではロングライフミルク

とあって。☞「ケーフィア(コーカサス地方の発酵乳)説明書の写し | マキシマ文庫」 (status)

ドイツ語の 「H-Milch – Wikipedia」  によると (status)

H-Milch (haːmɪlç), auch Haltbarmilch, steht für haltbare Milch.

… UHT-Milch …

グーグル先生に翻訳してもらうと、ドイツの H-Milch は Haltbar(長持ち、long life)な牛乳で、UTH(超高温殺菌)牛乳のことらしい。 (status)

牛乳 – Wikipedia」  によると、(status)

  • 「超高温瞬間殺菌(UHT法)」の項で「日本の市販牛乳のほとんど」、ドイツでは「半分ほど」。
  • 「UHT滅菌法」は別項で「ロングライフ牛乳」。

ということで、ケフィアは一応「Hミルヒ」指定されているけれど、普通の安い牛乳でいいでしょ、な感じ。 (status)

どこかのブログで、H-Milch と日本の牛乳は味が違うという話しもあったけど。ホモ牛乳ばかりの効率優先で作る日本の牛乳は、ヨーロッパのミルク文化・ミルク消化可能な体質の人たちの飲む牛乳とは違うでしょうしね。(status)

ラムスデン現象

同じく、ケフィアの手引きには「牛乳を加熱し、さめたときにできる皮膜(牛乳を腐らせる原因)を除いたもの」と書いてあるが、この膜ができるのは「ラムスデン現象」と言うらしい。 (status)

ラムスデン現象 – Wikipedia」  によると (status)

成分中のタンパク質と脂肪が表面近くの水分の蒸発により熱変性することによって起こる。

ということで、ケフィア作りには、わざわざ牛乳を熱してラムスデン現象で湯葉化せずともよいような気がする。 (status)

もしかしたら、ロングライフ牛乳もラムスデン現象も、発酵食品のノウハウとしては何か意味があるのかもしれないけれど。 (status)

雑感

しばらくの間、ヨーグルトきのこが生存していてくれればオッケーw  (status)

だいたい、ふつうの130度殺菌の牛乳、開封後に冷蔵庫で1ヶ月か2ヶ月くらい置いておいて飲んでも、まぁ、飲めたしなw  (status)

牛乳が実際にはどれくらい保存可能なのかについては、

という記事で、賞味期限切れのLL牛乳や納豆を食べてみている。

納豆は「一度腐ったものはそれ以上腐らない」典型。発酵学の小泉武夫先生の本で、味や匂いは変わっていくが、食べて大丈夫と書いてあった記憶がある。  (status)

そのあとは、納豆が冷蔵庫でカピカピに乾燥していても平気で食べている。匂いもネバネバもなくなるので、それが苦手な私には、かえっておいしかったり。  (status)

独和辞典を開いたのは久しぶりだったな。 (status)

以上、ツイッター的な言葉遣いでのでのつぶやきでした。

(2011/7/22)

ケーフィア(コーカサス地方の発酵乳) 説明書の写し

以下、ケフィア(ヨーグルトきのこ)をもらったときに見せられた説明書の書き起こし。


ケーフィア (コーカサス地方の発酵乳)

ケーフィアきのこは3~4週間で2倍に増えるので友人、知人に分け、絶やさないようにする。とても貴重品である。

ケーフィアはコーカサスで牛乳に発酵により作られた炭酸無アルコールの飲み物でバチルス菌、ザンセチウス菌を含んでいる。

ケーフィアをガラスの器に入れ、18~20℃の暗室(戸棚)に12、18、24、最大48時間置くと牛乳は発酵して濃くなり、種々変化する。コーカサスの人々は古くからこのケーフィアの効果を知っていて水のかわりに飲み、食品の一つとしてたべてきた。彼らの平均寿命は110~150才で結核、消化器障害、癌とも無縁である。Dr.モンシュリコフは生涯の大半をケーフィアの研究をし、次の様な病気の治療効果を観察した。

消化器カタル(胃炎)、貧血、動脈りゅう

ケーフィアは腸に残された食物の腐敗を阻止する。病気の回復によい作用をし、また、母乳の代用ともなる。

調合

牛乳 1/4㍑に クルミ大のケーフィア

牛乳はHミルク(ドイツのHミルヒ) 日本ではロングライフミルク(長期、常温保存が可能なミルク)又は、牛乳を加熱し、さめたときにできる皮膜(牛乳を腐らせる原因)を除いたもの

ガラスの器にきのこを入れ、牛乳を注ぐ、密閉して最低12~最高48時間、暗室(戸棚)に置く、決して強い光を当ててはいけないし、冷蔵庫に入れてもいけない。

○ 20℃以上のところでは、きのこは早く成長する。
○ 20度以下のところでは、きのこはゆっくり成長する。
○ 適温は18~20℃
○ 12時間後のケーフィアは便通をつける。
○ 24時間後のケーフィアは普通(通常飲用)
○ 36~48時間後のケーフィアは便秘を生ずる

できたら

まず器をよく振ってまぜてから茶こしでこす。茶こしの上に残ったきのこはまた、ガラスの器にもどして、新しく牛乳を入れてセットする。きのこをこしわけてた飲み物は冷蔵庫に保存してもよい。冷蔵庫で1~2日寝かすと、いくらか酸味がうすくなる。


管理

ケーフィアは牛乳なしで最高48時間もつが、それ以上経つと分解され水のようになり、丸くなって役に立たなくなる。1週間に1回(10日位でも可)はきのこにぬるま湯をかけてすすぐ。ガラスびんをよく洗う。

用い方

ケーフィアは消化の必要が無く、直接血液に吸収される。飲むのは夕食時、または単独に飲むのもよい。ケーフィアは特別な食料品でもある。病気の時には、毎日飲むべきである。
サラダやソースに酸味のクリームとして用いるのもよい。

適用

神経疾患:毎日1㍑食事時、重症の場合は一生
不眠症、沈うつ、食欲不振にも同様
内臓腫瘍:毎日1㍑ 不快の症状が消え胃潰瘍は2ヶ月で回復
気管支炎:毎日1㍑ 必要な期間
呼吸困難:毎日1㍑
貧血  :毎日1㍑ 大人は3ヶ月位で正常になった
敗血病 :毎日1㍑ 重症2㍑
発疹、湿疹:毎日1/2㍑飲用の他に患部に数回すりこむ
14日後には重症の湿疹も直った。
硬化症 :毎日1㍑ 心臓硬化はみるみるよくなった。
膀胱炎 :毎日1/2㍑ 必要な時期
血圧  :毎日1/2㍑ 平常を保つ
高血圧 :毎日1㍑ 2ヶ月後平常になった。
胆汁  :毎日1㍑ 牛乳とクリーム
伝染病 :毎日1㍑ 食事療法必要
黄だん :毎日1㍑ 12時間後のケーフィア
就寝前がよく最低3~4週間
便秘  :毎日1㍑ 12時間後のケーフィア

(毎週曜日を決めて菌を洗う)


ケフィアの説明書 ケフィアの説明書


以上、できる限りそのまま文字に起こしました。元の紙がコピーを繰り返してきたもののように見えることと、ケフィアの広がり方と冒頭の文章から、著作権の問題は発生しないことを期待しています。

内容的には、役に立つのは調合管理の項だけでしょう。それ以外の効能書きは無視するに限りますね。

私にケフィアをくれた方が言うには、茶こしは目が細かくて大変なので、ステンレスのザルで十分とのこと。また、ケフィア グレイン(粒粒)だけもらったので、正常なできあがり具合がわからなかったのですが、私の性格を考慮してのことでしょう、

美味しければ大丈夫程度のおおざっぱさで平気だと思いますよ。

とのことでした。健康にいいからというより、ケフィアが美味しいから続いているんだそうです。その人が分けてあげた人はみんな途中でダメにしたらしいので、きのこをダメにしたらわかるもののようです。

(2011/7/21)

調合の「Hミルク」と「皮膜」についての個人的見解は、「H-Milch とラムスデン現象――ケフィア | マキシマ文庫」に記しました。 (2011/7/22)