2025年9月8日の早朝、皆既月食がありました。埼玉はよく晴れて部分食の始めから皆既食、部分食の終わりまで見えました。
「天文年鑑 2025年版」によると、それぞれの時刻は
- 0h26m.9 半影食の始め
- 1h26m.8 部分食の始め
- 2h30m.4 皆既食の始め
- 3h11m.8 食の最大(食分1.367)
- 3h53m.2 皆既食の終わり
- 4h56m.9 部分食の終わり
- 5h56m.6 半影食の終わり
となっていました。細かい時刻は予報によって違いがあるようです。半影食は肉眼ではほとんどわかりません。
月食が起こるということは満月です。

部分食の始まりは、なんとなく始まる感じです。予報時刻の少し前から、月の左上のほうがだんだん暗くなってきたかな?といった様子。


食が大きくなっていくと、暗いところが赤っぽいようにも見えてきます。カメラのシャッタースピードなどをいろいろ変えて撮影してみました。

皆既月食の始まりの時刻になっても、端のほうは明るいままです。望遠鏡で見ていればもう少し境界がわかりやすいのかも?

皆既月食の最中は空が暗くなるので、星星がきれいに見えます。プレアデス星団(すばる)が、同じ望遠レンズでちょうどの大きさでした。ファインダーが暗い(ライブビューも暗い)ので、導入するのが大変でした。

皆既食の最中に、月の背後の恒星が次々に掩蔽していました。望遠鏡だとよく分かるのでしょうね。双眼鏡だと見るのがちょっと難しいかもしれません。なにげなくカメラのモニターで見ていたら、恒星が出てきた、入った、というのに気づきました。月食のときに掩蔽がよく見えるというのは初めての経験です。



食の最大の頃、赤黒い月の明るさはほぼ均一でした。



皆既食が終わり、左上の方から輝き始めて、部分食になります。




部分食が終わりに近づくにつれて月の高度が下がり、電線の束にかかるようになってきたので、写真はあまり撮っていません。部分食の終わりの頃は空も明るくなり、建物に遮られるようになりました。
これまで、月食はあまり見ていて面白くないと思っていました。しかし、よく晴れた中、部分食の始まりから皆既食、部分食の終わりまでずっと見ていると、結構いろいろな表情があるものなのですね。
機材はいつもと同じで、デジカメ本体は CANON EOS 9000D、レンズは 3 BEACH DIGITAL 60E 600mm F12 です。ISO感度やシャッタースピードは、カメラのモニターを見ながらどんどん変更していきました。それぞれの写真の EXIF を参照してください。トリミング、画像縮小してあります。
- 天文年鑑編集委員会 編.「天文年鑑 2025年版」.誠文堂新光社,2024
- 「皆既月食(2025年9月) | 国立天文台(NAOJ)」
- 「【特集】2025年9月8日 皆既月食 – アストロアーツ」
(2025/9/8)
(追記)
今回の月の色は暗かったそうです:
「皆既」は和製漢語だそうです:
12世紀ころが初出らしい:
(2025/9/9)
(追記2)
プロが撮るとこうなるという例。星星の掩蔽が次々起こっているのもよくわかります:
(2025/9/9)